3DプリンタでPEQ5を作ってほしいとの依頼を受け、作ってみることにしました。
預かったG&P製のレプリカをノギスで測って全体のサイズやバランスを設計し、3Dプリンタで出力を繰り返して似たような形に仕上げていく。
レプリカのレプを作ろうとするとその構造などを考えながら作っていきます。
PEQ5は90年代後期から初期アフまでにPEQ2とセットで使われていたようで、オールドスクールというのかな?
ちょうどパソコンとネット、個人装備の電子機器が一般へ普及し始めた時代で、いろんな道具を見ると面白い。
設計
G&Pのレプリカはボタン電池2個でレーザーを駆動する。これはLEDレーザーポインターの販売規制に関係しているのだと思う。
人に売る予定はないので自分用にクラス2を超えない範囲でレーザーが駆動できたらいいなぁ。
使用するレーザーモジュールは↓のクラス2のものLED基板に電圧の安定器と抵抗が入っているのでクラス2を超えることなく安心して使える。
レーザーは以前作製したPEQ15ガンカメラへ搭載したことがあるので何とかなりそう。
まずはレーザーの電源となる電池を検討する。
PEQ5のサイズ感から、単3電池サイズ相当の14500サイズの3.7Vリチウムイオンバッテリー1本を使うことにした。
出力した本体の奥にスプリング付きの金具が収まるか確認しながら設計を進める。
使用する電池はこれ
金具は12mmより小さければ使える。こんな感じの金具を探します。PEQ2型ガンカメラで使ったのと同じ。
ダイヤルカバー
調整用ダイヤルのカバー部分を設計しているところ。
カバーは微妙に傾斜がつけられており、カバーとしての強度の出し方がシンプルで合理的。だから格好いい。
現物と見比べながら角度を決めていきます。
実物を知らないので正確ではないですが、だいたいのイメージが出てればOK。
設計が終わったところの4面図
マウントの仕組みもまんまG&Pに同じ。マウントのナットとダイヤル部やバッテリーのフタは細かいとこまで造形できそうにないので若干デフォルメしました。
レーザー調整用の構造は試行錯誤のうえ、こんな形に、本当はフルサイズでもいければ~~と思ったけどクラス2のレーザーが収まる程度でいいからこの辺はオリジナルの構造
ダイヤルにクリック感を持たせようと、ボールラッチを設計してみたが、うまくいかなかった^^)ボールラッチはボツにしました。
内部構造も自分なりに考えたもので設計しています。
3Dプリンタでの出力
出力はAnyCubicのMegaSという機種で、ABSフィラメントを使用して出力しました。
何個か出力してみましたが、積層痕がひどいヤスリがけしても消えそうに無い。
ABS用の溶きパテを使えばなんとかなるかな、、、。
ダイヤルのカバーをひたすらヤスリがけ。
全体を仮組みして20mmレイルに取付てみる。
全体の大きさやバランスは大丈夫そう。
マウント取付用のネジは使われているネジを探すのが面倒なので同じくABS製。
あんまり強く締めこむと空回りしてしまいますが、取付には十分なトルクがあります。
レーザー取付
レーザー出力部へガラスを取り付ける。使用するのは1mm厚13mm径。
レーザーが収まる前方はすり鉢状にしています。この辺はPEQ15と同様
レーザー含めて組んだところ、G&P製にだいぶ近くなったかな?
仕上げは目を細めれば、、
見た目は悪いけど、電池はきっちり14500を使えるように設計しました。
バッテリーのフタもABS製で、ローレットの溝はFDM方式では難しく、デフォルメして溝が感じられる程度に出力しました。
内部筐体にリモート用ソケット(3極Φ2.5)を組み込んでいるところ
スイッチは8分割だったので、8パターンのコーディングスイッチを使用しました。
使用する回路の組み合わせはこれ
4はオフ、5はリモート、6がオン
動きはこんな感じに、ちょっと不自然かな?
接続はこんな感じ
組込み
配線を組み込んでいきます。後部カバーの脇に穴を空けて、プラス線(見た目の問題で黒を使用)を取り出し、
プラ製のバッテリーカバーに取り付けたネジに接続します。
一応これで電気がとれた。見た目がアレだけど。
内部配線を行い、セレクターを取付したところあとはマウントを着ければOK
レーザーの調整機構は、、、写真とってなかった。
マウントを取り付けて後ろから見たところ。だいたい同じにできました^^)
電池込みの重量はこんな感じ。見た目通りに軽い。
さっそくレーザーを点灯してみます。銃はM110ですが、SR25に見立ててます。
こんな感じで壁に映る。
クラス2のレーザーなので強くない。ただのレーザーポインタですね。
PEQと合わせて取り付けると、雰囲気がでて良い。SR25が欲しくなる。
ガンカメラとレーザーポインタでどちらもそれぞれに役割を付与した感じ
スイッチの動きを動画に撮りました。
PEQ15と仲良くレーザーを照射!家で遊ぶレベル。豆球にしても良いかも。
塗装
後日、塗装を行いました。
インディのブラックパーカを塗ってはヤスリがけし、何度も塗り重ねれば積層痕が消えないだろうか、、と
塗りすぎて本体が歪んで割れましたΣ( ̄ロ ̄lll)ガーン
いろいと塗っては見るけどなかなか積層痕は消えません。
パテ盛り
結局パテを盛ることにしました。外装についてはほぼ手加工になってしまった。
使用するパテは溶きパテです。
全体にまんべん無く塗ってヤスってから磨きます。番手を800番に落としてから光沢が出るようになった^^)
脱脂して本塗装!
ギリギリ積層痕は消すことができました!
が、入り組んだところはうまくいかない。
FDM方式の3Dプリンタの限界を感じますね。
やっぱり外装は光造形方式のほうが良いようです。
以上、2021年12月記録