「Mk.I Illumination Grenade を3Dプリンタで作って欲しい」という依頼を受けました。
ベトナム装備に使いたいが、このレプリカが今は売られていないらしく、なかなか手に入らないそうです。
ベトナム装備に詳しくないので、どのくらい希少なのかはさっぱり分からないけど、レプリカを預かって作ってみることにしました。
設計
曲面の連続したものを設計するのは初めてだったので、苦戦。
ノギスで測りつつ観察し、断面の曲線を円弧の連続に見立て、その頂点と端部がどこかを決める。
端部から頂点の3点指定の円弧を描いていった。
描いた断面図の軸を中心に回転させて押し出せば立体化される。
で、何体か出力してレプリカと見比べたり、ネット上の写真や情報を集めて構造を考証しながら進めました。
参考にしたサイト → U.S. Mk.I Illumination Grenade (WWII) – Inert-Ord.net
3Dプリンタでの出力
ABSのフィラメントで出力してみます。
こんな感じに出力される。
何体か試行錯誤し、ヒューズ取り付けるネジ山が合うかどうか確認しました。
写真ではそこまで目立ちませんが、ゆるい曲面にでてくる積層痕はかなりきつい。
なので、溶きパテで埋めることにしました。溶きパテはアセトン系の溶剤が入っているので、ABSに浸み込みつつ使いやすいです。
溶きパテ後にヤスリで磨きました。指で触るとそれなりに積層痕が感じられるものの、遠目には全体の形状はOKかな~(^_^;)
インディーのスプレーで塗ってみます。
厚塗り後に乾燥させ、ペーパーで研磨し、また厚塗りする。
が、何度やっても積層痕は完全には消えない。この辺はPEQ5を作ったときにわかってはいたけど、限界がある。
下地の時点で爪に引っかかるような段差があると、塗装ではカバーできずに積層痕が再現されてしまいます。
これでもかなり頑張ったほうだけど、見比べると不満が出る。
ヒューズを取り付けるネジ穴は5/8インチ径にし、一応実物のヒューズが装着出来ました。
※のちに光造形3Dプリンタでは穴径を11/16インチ、ピッチは12ゲージとしました。
最初はミリネジで作ってたが、アメリカの製品はインチネジだということに気づくのに1週間かかった、、。
とまあ、とりあえずのテスト品は完成。
まずはサイズ感の確認を!と思い、依頼されたUさんに見てもらうと、、
「積層痕は遠目に分からないのでOK!」という優しい感想をもらいました( ;∀;)
そうは言われたものの、自分の中では満足できず、後日作り直す。
その辺はまた別の記事で、、
以上
2022年4月記録